学生さんインタビュー (小幡 紘平さん)

小幡 紘平さんインタビュー  – THEWEBCONF/WWW 2024

櫻井研究室D1の小幡 紘平さんが開発した新技術(DMM)がTheWebConf (WWW) 2024に採択されました。おめでとうございます!

Kohei Obata, Koki Kawabata, Yasuko Matsubara, Yasushi Sakurai, “Dynamic Multi-Network Mining of Tensor Time Series”, the ACM Web Conference (WWW), May 13–17, 2024. 

TheWebConf (WWW)は、Web分野における最難関のトップ国際会議で、極めて競争的な会議です。

今年は、2000件以上の投稿論文の中から、採択されました!(おめでとうございます!!!)

研究内容について

Q. 今回採択された論文の概要について教えてください

時間を含む複数のモードから構成される時系列テンソルデータから,モードごとの変数間の依存関係を表現するネットワークに基づいたサブシーケンスクラスタリングを行う手法(DMM: Dynamic Multi-network Mining)を提案しました.時系列テンソルの例として,複数のキーワードの検索数が複数の国からある期間にわたって取得されたGoogleトレンドデータ({キーワード,国,時間}の3階テンソル)があげられます.提案手法はこのような時系列テンソルデータから,キーワードの関係性を表現するネットワークと国の関係性を表現するネットワークを持つクラスタを高精度かつ高速に検出することで,時系列テンソルの多角的な解析が可能です.潜在ネットワークに基づいたクラスタ検出は従来のクラスタリング手法(K-meansなど)と異なり,クラスタの解釈性が極めて高く,「どうしてこれらのクラスタは異なるのか?」,「この期間に検出されたクラスタは何を意味するのか?」といった疑問を解決できます.

研究概要:提案手法(DMM)は時系列テンソルデータに対し、潜在ネットワークに基づき解釈性の高い部分シーケンスクラスタリングを高精度かつ高速に行う手法です. 

Q. 研究の楽しさと難しさはなんですか?

論文を読みながら空想にふけっている時が楽しいです.
研究意義や技術的な課題,先行研究は後回しにして,既存研究にどう手を加えたら論文を書けそうかを考えています.
いざ数式を書き起こしたり,コードを実装したりすると大体うまくいかないのが難しいところです.

Q. どうして博士に進学しましたか?

私は研究生として櫻井研に9月からお邪魔させていただき,M1の4月に博士進学を完全に決断しました.当時,決断した主な理由として2つあります.
一つ目は,研究生として半年過ごす中で,櫻井研が博士課程の学生に対して全面的な支援(研究指導,研究環境,金銭…)をしてくれると実感できたことです.進学に際して,卒業できるか,生活費をどう賄うかなどの不安があったのですが,それらを無くすことができました.
二つ目は情報科学の専門家になる利点を感じたことです.当時は農学部から分野転向してきたばかりで情報科学の知識が乏しく,修士の2年間で得られる能力では就職(やその後)の役にたたないと考えていました.
今となっては異なる考えも持っていますが,博士進学は正解だったと思っています.

普段のお話

Q. 研究以外の趣味はありますか?

研究が趣味かどうかは置いといて,平日は帰宅後,ランニングやジム通い,海外ドラマを見て過ごしています.
休日はハイキング,サイクリング,映画鑑賞など手広く楽しんでいます.

さいごに…

お忙しいところ、お答えいただきありがとうございました!!ますますのご活躍に期待したいと思います^^