
櫻井研究室D1(新D2)の中村航大さんが開発した、CubeScopeがTheWebConf (WWW) 2023に採択されました。おめでとうございます!
TheWebConf (WWW)は、Web分野における最難関のトップ国際会議で、毎年、採択率は10%台の極めて競争的な会議です。
また、中村航大さんは、学生でありながら、今年の 「情報処理学会 山下記念研究賞」も受賞され、大変ご活躍されています(おめでとうございます!)。
今回は、そんな中村航大さんに、研究内容や研究活動の様子など、伺ってみたいと思います。
研究内容について
Q. 今回採択された研究について、ご説明いただけますでしょうか。
大規模かつ複雑なデータの中からリアルタイムに重要なパターンを発見するための新技術「CubeScope」を開発しました。例えば、Amazon等の購買ログデータでは、{購入時刻, アイテム, ブランド, 価格,... }といった複数の属性情報を持つイベントが毎時刻、大量に収集されています。このようなデータは、高次元、スパース、半無限長となる性質を持ち、既存手法での解析はもちろん、人による解釈も困難なデータでした。本研究では、このようなデータを簡潔かつ効果的に表現するために、(a) レジーム:時間発展に伴うデータの振る舞いの切り替わりを示すパターン、(b) コンポーネント:アイテムやブランドといった各属性情報の中に潜在するグループやそれらの関係性を示すパターン、という2種類のパターンを新たに定義し、それらを高精度かつ高速に発見する新たなアルゴリズムを提案しました。 また、提案手法は汎用性が非常に高く、(i) 人流データにおける、行動パターン・エリアグループの自動検出とそれらの時間経過や社会的なイベントに伴う変化の解析、(ii) 購買ログにおける、ユーザやアイテムのグループの発見とそれらのセールや流行りに伴う変遷の解析、(iii) Webアクセスにおける、サイバー攻撃検出とその攻撃タイプの自動判定など、多様な課題に対応することができます。

研究が楽しいと思うようになったきっかけ
Q. 研究の楽しさと難しさはなんですか?
革新的なアイデアを思いついた瞬間が楽しいです。分野の最先端に立ち、これからの社会の礎となる技術をつくることができる、また、同じ目線で技術を考えている研究者とともにその技術について議論・検討することができることも研究の醍醐味だと思います。
Q. 将来どのような人物になりたいですか?プランなどはありますか?
直近では、世界中からトップ研究者が集まる、GAFAMなどのテックジャイアントの研究機関で研究してみたいという思いがあります。まだまだ実力が伴っていないので、日々研鑽を積んでいます。大きな目標を掲げながらも、身近な人に価値を提供する、幸せにできるということも大切にして生きていきたいです。
普段のご様子
Q. 研究室での様子をおしえてください。
基本的には自分のデスク(ブース)で、論文の執筆、論文やテキストを通しての勉強や構想中のアイデアの整理・実装をしています。他の研究室メンバーとともに昼食をとることも多く、昼食後は一緒にコーヒーを飲んでいます。コーヒー好きのメンバーも多く、日々、多様なコーヒーを楽しんでいます。

Q. 櫻井研究室での生活はどうですか?快適にお過ごしですか?
集中しやすい個人スペースとおしゃれな共用スペースがあり、過ごしやすい環境です。作業内容やその日の気分に応じて、場所を変えながら作業しています。また、ストイックに研究・仕事に取り組みたい人にとって良い環境だと思います。技術を突き詰めていく中で、うまくいかず心が折れそうになる時もありますが、同じように苦悩しながらも必死に自分の研究や仕事に向き合っている、研究室メンバーの姿に鼓舞されることも多いです。

その他
Q. 研究以外の趣味などはありますか?
最近はベラ活にハマっています。ベランダでリクライニングできる椅子に座りながら、音楽を聴いたり、夜空を眺めたり、いい香りのする木を燃やしたりしています。笑

さいごに・・・
中村航大さんの今後のさらなるご活躍に期待したいと思います!心より応援しております。