
櫻井研究室D1の東口 慎吾さんの研究成果がACM SIGKDD2025に採択されました。
Shingo Higashiguchi, Yasuko Matsubara, Koki Kawabata, Taichi Murayama, Yasushi Sakurai, D-Tracker: Modeling Interest Diffusion in Social Activity Tensor Data Streams, ACM SIGKDD International Conference on Knowledge Discovery and Data Mining (KDD2025), Toronto, ON, Canada, August 3-7, 2025.
ACM SIGKDDは、データマイニング分野における最難関のトップ国際会議で、極めて競争的な会議です。
Q. 今回採択された論文の概要について教えてください
社会活動データストリームから関心の拡散のパターンを抽出する手法である「D-Tracker」を提案しました。例えば、GoogleTrendsから取得されるGoogleの検索数のデータを考えると、データは (時間, キーワード, 地域; 検索数) という属性を持ちます。こうしたデータは属性が複数あるために可視化や分析が難しく、3つの属性を持つGoogle検索数データでは、3次元の立体の形で可視化をすることになります(テンソル形式)。加えて、データは一般的に (1) 高次元:国やキーワードの数は数十から百以上になることに加え、時間方向には刻々とデータが生成されるため半無限長のデータストリームとなる、(2) 複合的なパターン:トレンドや季節性、流行の拡散など複合的なパターンを持つ、(3) パターンの時間変化:流行の移り変わりなどの影響でデータの特徴は変化する、といった特徴を持ち、このことがデータのモデリングを困難にしています。 今回の研究では、こうした複雑なデータから、流行の拡散のパターンをリアルタイムに抽出し、そのパターンに基づき将来の値を予測する手法である「D-Tracker」を提案しました。

Q. 博士課程に進学したのはどうしてですか?進学して良かったと思いますか?
ビッグデータの利活用は社会的に強く求められており、その分野で新たな価値を創出できる技術を生み出すための実力を身につけたいと考えたからです。その際、研究に集中できる環境が整っていること(優秀な学生が多く在籍していること、就職した場合と同水準の金銭的支援が得られること、広く整備された作業スペースがあること等)も大きな判断材料になりました。
Q.将来のプランなどはどのようにお考えですか?
企業に研究者として就職したいと考えています。 技術の社会実装を通して実課題を解決できるような、そうしたプロジェクトをリードできるような研究者になることを目指しています。そのために、現在は自分の実力を高めるべく研鑽を積んでいます。
Q. 研究以外の趣味はありますか?
美味しいものを食べることです。あと、将棋は二段です。
お忙しいところ、お答えいただきありがとうございました!!ますますのご活躍に期待したいと思います^^