大阪大学産業科学研究所 産業科学AIセンター 櫻井・松原研究室
学生さんインタビュー (千原 直己さん, KDD2025)

学生さんインタビュー (千原 直己さん, KDD2025)

櫻井研究室M2の千原 直己さんの研究成果がACM SIGKDD2025に採択されました。

Naoki Chihara, Yasuko Matsubara, Ren Fujiwara, Yasushi Sakurai, Modeling Time-evolving Causality over Data Streams, ACM SIGKDD International Conference on Knowledge Discovery and Data Mining (KDD2025), Toronto, ON, Canada, August 3-7, 2025.

ACM SIGKDDは、データマイニング分野における最難関のトップ国際会議で、極めて競争的な会議です。千原 直己さんは、M1から櫻井研究室に加わり、あっという間にKDDに論文が採択されました(すごい!)

Q. 今回採択された論文の概要について教えてください

本論文では,半無限のデータ長を持ち,逐次的に最新の観測点が得られる特徴を持つ時系列データストリームに対して,高精度に因果関係を抽出し,将来を予測するための手法である ModePlait を提案しました.一般的な因果探索の手法の課題点として,1つのデータ中に存在する因果関係が1つであるという因果定常性 (causal stationarity) を仮定しています.しかし,実際の環境では様々な影響で因果関係は時間変化すると考えられます.例えば,感染症の拡大のケースを考えると,新たな変異株の発見などといったイベントに対応して感染者数の増加の原因となる国は遷移していきます.このような現象によって時々刻々と変化する時系列パターンを連続的なモデルの更新を通じて把握することによって,高精度な因果探索および将来予測を達成しました.

研究概要:提案手法(ModePlait)は時系列データストリームに対して適応的に因果関係を抽出し,将来を予測する手法です。

Q. 来年度からは博士課程に進学しますが、どうして博士課程に進むことを決めましたか?

博士後期課程への進学の動機は、研究室の先輩方・先生方が楽しそうに研究に取り組まれ、議論されている様子を見て、自分もその輪に混ざりたいと思ったからです。加えて、安定かつ没入した研究生活を送るための環境面や金銭面などの手厚いサポートがあることが進学の決断の後押しとなりました。

Q. 今後、どのような研究をしていきたいですか?

まずは自身の技術力を一層高めていきたいです。情報分野で活躍するための基礎力が自分にはまだ不足していると考えているからです。社会応用にも関心はありますが、今後のキャリアを築く中で社会のニーズを見極めながら自分の理想を明確にした上で着手したいと考えています。

Q. 研究以外の趣味はありますか?

普段の隙間時間にはYouTubeをよく見ています。まとまった時間ができたら、友達と麻雀をしたり、カラオケに行ったりしています。

お忙しいところ、お答えいただきありがとうございました!!ますますのご活躍に期待したいと思います^^