大阪大学産業科学研究所 産業科学AIセンター 櫻井・松原研究室
学生さんインタビュー (小幡 紘平さん, KDD2024)

学生さんインタビュー (小幡 紘平さん, KDD2024)

櫻井研究室D2の小幡 紘平さんの研究成果がACM SIGKDD2024に採択されました。

Kohei Obata, Koki Kawabata, Yasuko Matsubara, Yasushi Sakurai, Mining of Switching Sparse Networks for Missing Value Imputation in Multivariate Time Series, ACM SIGKDD International Conference on Knowledge Discovery and Data Mining (KDD2024), pp. 2296-2306, Barcelona, Spain, August 25-29, 2024. Acceptance Rate: 411/2046, 20.1%

ACM SIGKDDは、データマイニング分野における最難関のトップ国際会議で、極めて競争的な会議です。今年は、2000件以上の投稿論文の中から、採択されました。

Q. 今回採択された論文の概要について教えてください

データ取得において欠損値の発生は避けられません.そして,高精度な欠損値補間はその後のアプリケーション(予測や分類など)の性能向上に貢献します.今回採択された論文では,多次元時系列データから,変数間の依存関係を表現するネットワークを推定し,欠損値補間に利用する手法(MissNet: Mining of Switching Sparse Network)を提案しました.時系列データの欠損値補間おいて,時間依存性と変数間依存性を利用することは重要です.MissNetは状態空間モデルを採用し時間依存性をとらえます.また,ネットワークはスパースで時間変化すると仮定し,変数間依存性をマルコフ過程とグラフィカルラッソによりとらえます.提案手法はデータ長に対して線形時間で動作し,高精度な欠損値補間を実現します.さらに,推定したネットワークから「ある欠損値の補間に有用な変数は何か」といった解釈性を提供します.

研究概要:提案手法(MissNet)は変数間の依存関係を表現する疎なネットワークを利用した解釈性の高い,高精度な多次元時系列データの欠損値補間手法です.

Q. 前回(WWW2024)に引き続き2回目のトップ国際会議採択ですが、どのようにお感じですか?心境の変化などありましたでしょうか?

今回は,1回の投稿で採択されたので,オーバーヘッドが少なく,ラッキーでした.また,会議の開催地が訪れたかった国の一つであるスペイン🇪🇸だったことが,論文投稿のモチベーションにつながりました.ようやく,テーマ設定から論文執筆までのサイクルが確立されてきたので,今後は毎年継続して採択を目指したいです.

Q. 日々の研究生活の様子を教えてください。

平均(理想)的な1日は午前(8:00〜12:00)にサーベイ,午後(13:00〜)に実験や論文執筆です.手を動かす作業よりも論文を読む方が好きです.疲れたときは,ベランダのハンモックで休憩したり,事務室のコーヒーやお菓子を楽しんだりします(準備していただいて本当に助かっています.いつもありがとうございます🙇‍♂️).

Q. 実際に、国際会議に参加してみて、どのようにお感じになりましたか?WWWとKDDの違いはなにかありましたか?

時系列の研究が多くあったのでWWWよりも楽しめました 🙂

次回(2025🇨🇦)も論文を通して参加したいです!!

お忙しいところ、お答えいただきありがとうございました!!ますますのご活躍に期待したいと思います^^