
櫻井研究室・特任研究員の楊 子威さん(京都大学D2在籍)の研究成果がICLR2025(Oral presentation)に採択されました。
Ziwei Yang, Zheng Chen, Xin Liu, Rikuto Kotoge, Peng Chen, Yasuko Matsubara, Yasushi Sakurai, Jimeng Sun, GeSubNet: Gene Interaction Inference for Disease Subtype Network Generation, The Thirteenth International Conference on Learning Representations (ICLR2025), Singapore, Apr 24 – Apr 28th, 2025. Oral presentation, Acceptance Rate: 1.8%
ICLRは、AI分野における最難関のトップ国際会議で、極めて競争的な会議です。今年は、1万件以上の投稿論文の中から、採択されました。また、本研究成果は、極めて高く評価されたことから、Oral presentationに選出されました(上位1.8%論文に選出されています!)。
Q. 今回採択された論文の概要について教えてください
疾患ネットワークとサブタイプ固有の変動の不整合により、知識データベースから遺伝子機能ネットワークを学習することは依然として大きな課題となっています。従来手法では、遺伝子相互作用に関する既存知識の統合や、サブタイプ固有の相互作用を正確に学習する点で十分な成果が得られていません。そこで本研究では、各疾患サブタイプを明確に識別しつつ、統一的な表現に基づいて遺伝子相互作用を予測する新たなモデル「GeSubNet」を提案します。
GeSubNetは、以下の3つのモジュールからなるマルチステップの表現学習フレームワークを採用しています。まず、深層生成モデルを用いて遺伝子発現プロファイルから各疾患サブタイプの特徴を抽出します。次に、グラフニューラルネットワークにより、遺伝子ネットワークの精緻な表現を獲得します。最後に、これら二つの表現を統合することで、サブタイプ固有の情報をさらに洗練し、高精度な相互作用予測を実現します。

Q. 興味のある研究テーマ、技術はどのようなものがありますか?
私はAI技術を生物医学関連のデータや問題に適用する方法に興味があります。特に、遺伝子データや代謝経路の解析におけるAIの利用に関心を持っています。
Q. 研究の楽しさ、難しさはどのようにお感じでしょうか?
研究の楽しさは、未知の問題に挑戦し、新しい知見を得ることにあると思います。特に、理論的に予測した結果が実験で確認できたときの達成感は大きいです。また、国際学会で他の研究者と話し、新しい考え方を学ぶのも楽しいです。 一方で、思い通りにいかないことが多いのが難しさです。アイデアを試してもうまくいかないことが多く、何度もやり直す必要があります。また、AIの進歩はとても速いので、新しい技術を勉強し続けるのも大変ですが、それを乗り越えたときの発見にも研究を続ける原動力になっています。
Q. 研究以外の趣味はありますか?
研究以外では、音楽鑑賞が好きです。いろいろなジャンルの音楽を聴きますが、特にジャズをよく聴きます。研究の合間に音楽を流すと、集中しやすくなったり、リラックスできたりします。また、ライブやコンサートに行くのも楽しみの一つで、生演奏の迫力や雰囲気を感じるのが好きです。
お忙しいところ、お答えいただきありがとうございました!!ますますのご活躍に期待したいと思います^^